申請書を電子化する方法|
入力・承認・保管まで整理するステップ
紙の申請書の回覧や、Excel・PDFをメールで送る業務を電子化するとき、何をどこまで変えればよいか迷うことはありませんか。
書類を電子データにしても、提出先の確認や承認依頼、手続き、進捗の問い合わせが残る場合があります。
申請書には、承認・許可・決裁などの「判断」を求めるものもあれば、登録・変更・発行などの「手続き」を求めるものもあります。
改善したい課題に応じて、入力から申請後の判断・手続き、進捗確認、保管まで、電子化する範囲を考えることが大切です。
では、申請書の電子化は、何から始めればよいのでしょうか。
本記事では、ワークフローシステム「Create!Webフロー」を提供する私たちが、電子化する範囲や方法の整理から、実際の申請書でのテストまでを5ステップで解説します。
この記事のポイント
申請書の電子化では、紙やExcelで行っている申請業務のうち、入力・申請後の判断や手続き・進捗確認・保管のどこまでを電子化するかを整理することが大切です。
- 電子化する範囲を整理する:申請書だけでなく、入力・申請後の判断や手続き・進捗確認・保管まで、どこを電子化する必要があるか考える
- 現在の運用を整理する:帳票の様式に加え、添付資料、申請後の対応ルール、保管・共有の条件を確認し、活かす部分と見直す部分を決める
- 使い勝手と管理のしやすさを確かめる:必要な条件を満たせる方法を選び、申請者・承認者・処理担当者の操作に加え、保管・検索や承認ルートの変更などを実際の業務で試す
申請書の電子化は「紙をなくす」だけではない
申請書の電子化では、書類の形式に加え、申請後の判断や手続き、進捗確認などの作業がどう変わるかも確認することが大切です。
申請書の電子化には、さまざまな範囲があります。
例えば、紙の申請書をExcelやPDFに置き換えることも電子化の一つです。一方で、申請書を電子データにしても、その後の承認や手続きの依頼、回付、進捗確認を人が行っていれば、申請業務には手作業が残ります。
電子化を検討するときは、まず自社ではどこまでを電子化したいのかを考えてみましょう。
| 電子化する範囲 | 例 |
|---|---|
| 申請書を電子データにする | 紙の申請書をExcelやPDFに置き換える |
| 申請方法を電子化する | Webフォームなどから申請する |
| 申請後の判断・手続きを電子化する | システム上で承認・決裁したり、担当者が申請内容に応じた手続きを行ったりする |
| 進捗状況を確認する | 申請者や管理担当者が承認状況を確認する |
| 申請完了後の管理を電子化する | 完了した申請書や承認・処理の履歴を保管・検索する |
どこまで電子化する必要があるかは、現在の申請方法や改善したい課題によって異なります。
そのため、最初からシステムを選ぶのではなく、現在どのように申請書を作成し、誰に回し、どのような判断や手続きが行われ、完了後にどう扱っているのかを確認することから始めます。
現在の作業から電子化する範囲を整理する
申請書を電子化する際には、「どのシステムを使うか」を考える前に、現在の申請業務のうち、どこを電子化したいのかを整理します。
例えば、次のように現在の作業と改善したい内容を対応させると、必要な範囲を考えやすくなります。
| 現在行っていること | 電子化を検討するときのポイント |
|---|---|
| 申請書を作成する | 必須入力、選択入力、入力内容のチェック |
| 見積書などの資料を添付する | 添付漏れの防止、関連資料の一元管理 |
| 承認者や処理担当者を確認する | 申請内容に応じた承認ルート・処理担当 |
| メールなどで承認・処理を依頼する | 承認者・処理担当者への回付・通知 |
| 現在の承認・処理状況を確認する | 申請者や管理担当者による進捗確認 |
| 差し戻された申請書を修正する | 差し戻し・再申請 |
| 誰が承認・処理したか確認する | 承認・決裁・処理の履歴 |
| 完了した申請書を保存する | 保管、検索、閲覧・共有 |
改善したい課題をもとに、電子化する範囲を考えてみましょう。
- 申請書だけを電子データにすればよいのか
- 申請から承認・手続きまで電子化したいのか
- 進捗確認までシステムで行いたいのか
- 申請完了後の文書管理まで含めたいのか
申請書を電子化する5ステップ

ここまで見てきた電子化の範囲を踏まえ、現在の申請業務を整理するところから始めましょう。
そこから、業務に合う電子化の方法を選び、実際の申請書で確かめるまでを5ステップで解説します。
Step1. 現在の申請方法と困っていることを整理する
まず、現在行っている申請業務を一つ取り上げ、申請書を作成してから申請後の対応が完了し、保管するまでの流れを確認します。
備品購入申請の流れ(例)
申請書を作成する → 見積書を添付する → 上司へ提出する → 承認・決裁する → 決裁済みの申請書を保管する
一方、登録や変更などの手続きを求める申請では、申請書を作成する → 担当者が内容を確認する → 必要な手続きを行う → 完了した申請書や処理履歴を保管する、といった流れになる場合もあります。
そのうえで、それぞれの場面について次の点を確認します。
- 誰が行っているか
- どのような方法で行っているか
- どこで時間や手間がかかっているか
- 問い合わせや確認が発生しているか
- 入力ミスや差し戻しが起きているか
- 進捗が分からなくなることがあるか
申請者が毎回承認先や処理担当者を確認してメールを送っている場合は、「次に誰が対応するかを判断する作業」と「依頼を送る作業」が手作業になっています。
承認や処理状況について担当者への問い合わせが多い場合は、「申請者自身が進捗を確認できない」ことが課題になっている可能性があります。
まずはこうした現在の業務と困っている場面を整理し、電子化によって何を改善したいのかを明確にしましょう。
Step2. 申請書で活かす部分と見直す部分を決める

現在使っている申請書について、フォーマットをそのまま残す部分と、電子化に合わせて見直す部分を整理します。
判断材料になるのは、日常の入力や添付、承認や手続きの際に時間を要する箇所、差し戻し・問い合わせが生じやすい箇所です。
- 必須項目と任意項目
- 選択式にできる項目と記述が必要な項目
- 入力ミスや記入漏れが起きやすい箇所
- 必要な添付資料と添付漏れが起きやすい資料
- 承認者や処理担当者が確認するときに見つけにくい情報
例えば、備品購入申請なら、承認者が申請金額と購入理由を見つけやすい現在の配置は活かし、記入漏れが多い項目には必須入力にしたり、入力例を示したりする、といった見直しが考えられます。
スマートフォンやタブレットからも入力・確認する場合は、画面上での項目の見つけやすさ、入力しやすさも確認しましょう。
Step3. 申請後の判断・手続きのルールと例外を整理する
申請内容に応じて、誰が申請し、誰が承認・決裁し、誰が閲覧するかを整理します。
- 申請者
- 承認者・決裁者(承認・許可・決裁などの判断を行う場合)
- 処理担当者(登録・変更・発行などの手続きを行う場合)
- 閲覧者(承認・決裁には参加せず、申請内容を閲覧する人)
- 承認・決裁や手続きを行う順番
- 承認者・決裁者・処理担当者が不在の場合の代理対応
- 金額や申請内容などによって経路が変わる条件
申請者が毎回「次に誰へ送ればよいか」を判断している場合は、その判断を申請後の対応ルールとして整理できないかも確認します。
例えば「10万円未満は課長決裁、10万円以上は部長決裁」など、申請内容によって承認先が変わる場合は、その条件も書き出しましょう。
現在の回付順が社内の決裁・処理ルールに合っているかも確認しましょう。
承認権限や処理担当、代理対応に不明点があれば、規程の管理担当者や責任者に確認します。
Step4. 申請完了後の保管・共有の条件を整理する
承認・決裁や必要な手続きが完了した後の申請書をどのように扱うか、保管や利用に関わる担当者と整理します。
完了した申請書・承認/処理履歴の利用場面(例)
- 経理担当者が支払処理のために確認する
- 管理部門が過去の申請内容を確認する
- 申請者が以前の申請書を参照する
- 監査時に承認・処理履歴を確認する
こうした利用場面を踏まえ、次の条件を整理しましょう。
申請書・関連資料・履歴の保管・共有に関する確認事項
- どこに保管するか
- どのくらいの期間保管するか
- 電子化後も紙の原本を残す必要があるか
- 過去の申請書を電子化・移行するか
- PDFなどで出力する必要があるか
- 後からどのように検索するか
- 誰が閲覧できるか
- 申請者・承認者・処理担当者以外にも共有する場面があるか
- 申請後の判断や手続きの履歴を後から確認する必要があるか
保存期間や紙原本の扱いに不明点があれば、社内規程の管理担当者に確認します。
Step5. 電子化する範囲と方法を決め、実際の業務で試す

Step1~4で整理した内容をもとに、電子化する範囲と方法を決め、それを実現できるかを検討します。
①電子化する範囲
Step1で挙げた申請書について、入力・申請後の判断や手続き・保管の条件や電子化の方法を踏まえ、関係部門や責任者と対象の申請書・利用部門・利用開始時期の目安を決めます。
その際は、設定やテストを担当する人と、準備に必要な時間を確保できるかも確認しましょう。
対象の申請書や部門すべてで同時に利用を始めるのが難しい場合は、利用開始時期を分けるか、準備期間や担当体制を見直します。
②電子化する方法
ここまで整理した条件を、現在利用しているシステムやツールで実現できる場合は、それを活用する方法もあります。
一方で、以下のような要件がある場合は、申請・承認・処理業務に必要な機能を備えたワークフローシステムも選択肢になります。
- 複数の申請書を扱いたい
- 部門や金額によって承認ルートが変わる
- 承認や処理の依頼を自動的に回付したい
- 申請者自身が進捗を確認できるようにしたい
- 誰が承認・決裁・処理したか履歴を残したい
- 申請完了後の閲覧範囲を管理したい
大切なのは、最初にシステムの種類を決めるのではなく、自社の申請業務で必要な条件を整理し、その条件を満たせる方法を選ぶことです。
現在利用しているグループウェアに必要な機能があれば、それを活用できる場合もあります。ノーコード・ローコードツールなどで独自に構築する場合は、必要な処理への対応だけでなく、設定変更や保守を誰が担うかも確認しましょう。ワークフローシステムと既存の保管先を組み合わせるなど、複数の仕組みを併用する方法もあります。その場合は、書類や情報の受け渡し方も確認してください。
組織全体の権限や連携、管理体制を整理する段階では、次の記事も参考になります。
候補のワークフロー製品が業務に合うかを確かめる際は、ワークフローシステム比較・選定のポイントもあわせて確認してください。
③実際の環境でのテスト
候補となる方法が決まったら、実際に使用している申請書や対応ルールを使って確認しましょう。トライアルや検証環境が使える場合、設定担当者とテスト用の申請書・承認ルートや処理ルールを作成します。
申請者・承認者・処理担当者には日常の業務に近い操作を、管理担当者には申請書や承認ルート・処理担当者の変更作業を試してもらいましょう。
| 決めること | (例)備品購入申請の場合 |
|---|---|
| 何を試すか | 総務部の備品購入申請 |
| 誰と試すか | 申請担当者、承認する課長、決裁する部長、申請書や承認ルートの設定を担う担当者 |
| どこまで試すか | 入力・見積書添付 → 承認・決裁(途中の進捗確認を含む)→ 保管・検索 |
テストでは、改善したい課題に対応できるかも確かめましょう。
例えば、進捗の問い合わせを減らしたい場合は、申請者が担当者に聞かずに状況を確認できるかがポイントです。
電子化の担当者はテスト参加者の確認結果をまとめ、満たせない条件や使いにくい点があれば、関係者と設定・運用方法や候補を見直します。
複数の申請書を電子化するときは、対象と優先順位を決める
複数の申請書を電子化する場合は、現在使っている申請書を一覧にし、どの申請書から電子化を進めるかを考えます。
例えば、次のような申請書は、電子化の対象として検討しやすくなります。
- 申請件数が多い
- 差し戻しや進捗確認など、改善したい課題が見えている
- 申請後の判断・処理ルールを整理しやすい
- 関係部門との調整や準備に必要な時間を見通せる
- 申請者・承認者・処理担当者の協力を得やすい
優先順位は、当てはまる項目の数だけでなく、業務への影響や準備に必要な人員・時間も踏まえて考えます。
すべての申請書をまとめて電子化する場合も、設定やテストを行う順番を整理しておくと進めやすくなります。
事例を参考に電子化の進め方を具体化する
申請書の電子化を具体的に検討するときは、実際に電子化を進めた組織の事例も参考になります。
ここでは、私たちが提供するワークフローシステム「Create!Webフロー」の導入事例を取り上げ、様式の活用、対象の拡大、決裁後の文書管理を紹介します。
ご自身の組織でも活かせそうな進め方に着目してご覧ください。
| 判断ポイント | 事例を見るときの着眼点 | 関連事例 |
|---|---|---|
| 既存フォーマットをどこまで活かすか | 現在の申請書をどこまで残し、電子化に合わせて何を見直しているかを見る | 既存の申請書を活かして進めた 導入事例を見る |
| 一部から始める場合、どのように対象を広げるか | 一部から始めた電子化を、ほかの部門へどのように広げているかを見る | 対象を絞って段階的に広げた 導入事例を見る |
| 承認後の保管までどうつなぐか | 申請・承認から決裁後の文書管理まで、どのようにつないでいるかを見る | 承認後の文書管理までつないだ 導入事例を見る |
※上記は、取材をもとに制作した各導入事例から、申請書の電子化を検討する際の判断材料としてCreate!Webフロー マーケティングチームが整理したものです。個別事例の取り組みや成果を一般化するものではありません。
Create!Webフローの入力や承認の操作、設定変更を確かめたい場合は、トライアルも利用できます。
Step5で整理した確認事項をもとに、自組織の申請書で試してみてください。
申請書の電子化に関するよくある質問
最後に、紙と電子を併用するときの注意点や、電子化による差し戻しの削減について、よくある質問にお答えします。
紙の申請書と電子化した申請書を併用するとき、何に注意すればよいですか?
どの申請書を紙で扱い、どの申請書を電子で扱うかを分け、提出先と保管先を関係者に共有しましょう。
同じ申請を紙と電子の両方で提出したり、同じ内容を二重に入力・管理したりする手間が生じないかも確認します。
申請書を電子化すると差し戻しは減りますか?
電子化だけで差し戻しがなくなるとは限りません。
原因を把握したうえで、必須項目、入力内容、添付資料、判断に必要な情報などを見直します。電子化は、その対策を実装する手段の一つです。
まとめ|今の申請書をもとに、電子化の進め方を考える
申請書を電子化するときは、紙の申請書をExcelやPDFに置き換えることだけでなく、その申請書がどのように作成され、誰に回り、どのような判断や手続きが行われ、完了後にどう扱われているかまで確認することが大切です。
まずは、現在使用している申請書を一つ取り上げ、次の点をたどってみましょう。
- どのように入力・作成しているか
- 申請後に誰が承認・決裁、または手続きを行っているか
- 進捗をどのように確認しているか
- 申請完了後にどこへ保管しているか
手間がかかっている箇所や改善したいことが見えてきたら、申請書の項目、承認ルートや処理ルール、保管方法を整理し、電子化する範囲を検討します。
複数の申請書へ広げる場合は、申請件数や現在の負担、関係者との調整などを踏まえて、取り組む対象や順番を決めます。
最初からすべての条件を決める必要はありません。分かるところから整理を進めてみましょう。
Create!Webフローでの電子化を検討したい場合は、こちらからご相談ください。






