いまのやり方で大丈夫?
紙・Excelで回っている承認業務に潜む4つのリスクと改善のポイント
「あの申請、いま誰が持ってる?」
「部長が出張中だから、承認は来週までお預けだね」
「この前の申請、結局どこにファイリングしたっけ……?」
そんな会話が当たり前になっていませんか?
申請・承認の業務において、決定的なトラブルが起きていないと、「うちはアナログだけど、まあ回っているから」と現状を維持してしまいがちです。
しかし、「業務が回っている」ことと「業務が健全に機能している」ことは別物です。今、現場のマンパワーや「誰かの無理」で何とか回っているその運用は、実はいつ表面化してもおかしくない深刻な構造的リスクを抱えています。
本記事では、自社の「隠れたリスク」を見つけるためのチェックリストとともに、アナログな運用が組織にどのような悪影響を及ぼすのか、その原因と改善のポイントを整理します。
この記事のポイント
- 業務が「回っている」ように見えても、紙・Excel運用には承認の停滞・情報の分断・判断のばらつき・証跡の欠如という4つのリスクが潜んでいます。
- これらのリスクは現場の「慣れ」でカバーされやすいため、課題として認識されにくい特徴があります。
- 解決には「個人の努力」に頼るのではなく、可視化・標準化・記録という「仕組み」の見直しが必要です。
申請・承認の業務でこんな困りごと、起きていませんか
まず、自社の承認業務の現状を確認してみましょう。以下のチェックリストは、4つのリスクそれぞれに対応しています。当てはまる項目が多いほど、その領域のリスクが高い状態といえます。
承認が滞りがち
チェック項目
情報が分断してしまっている
チェック項目
人に依存してしまっている
チェック項目
いざという時に証明できない不安を抱えている
チェック項目
いくつ当てはまりましたか?
1〜2個の方:今すぐ業務が止まることはありませんが、特定の「非効率」が将来的に大きなリスクへつながる可能性があります。
3〜5個の方:該当数は少なく見えますが、これらの問題は互いに連動しています。1つの非効率が、気づかないうちに別の業務にも影響を広げていることがあります。
6個以上の方:複数の業務場面にまたがって非効率が起きている状態です。個別の対処ではなく、承認業務の進め方そのものに共通する原因がある可能性があります。
こうした困りごとは、単なる「個人の不注意」や「多忙」のせいではありません。紙やExcelをベースにした運用そのものが抱える「構造的な弱点」から生じています。放置すればどのようなリスクを招くのか、詳しく見ていきましょう。
運用を放置することで起きる4つの深刻なリスク
ここでは、チェックリストのカテゴリに対応した4つのリスクを整理します。
1.承認が止まり機会損失を招くリスク
チェックした項目
承認が「紙」や「オフィス」に縛られていると、担当者が不在のたびにすべてのプロセスがストップし、申請がどこで滞っているのかわからなくなることがあります。
例えば、次のような状況です。
- 承認者が出張中で書類が机に置かれたままになっている
- 進捗を確認するために電話やメールで関係者に聞いて回る
こうした承認の停滞は単なる手間の問題ではなく、組織としての意思決定のスピードを低下させます。
競合他社が素早く動く中で、自社だけが「ハンコ待ち」をしている状態は、ビジネスにおける大きな機会損失につながります。
<承認停滞リスクについての詳しい記事>
- 承認者が不在で申請が止まり続ける職場の深刻な問題―「在席依存」から脱却する仕組みの作り方
- 申請を誰に回せばよいかわからないー承認経路が複雑で問い合わせが殺到していませんか?
- 「今どこ?」の問い合わせがゼロになる―承認状況をリアルタイムに可視化する仕組みの作り方
- 承認申請のためだけに出社が必要ー「場所を選ばない」承認フローの実現方法とは?
2.申請の状況や履歴が追えなくなるリスク
チェックした項目
メール、Excel、紙の束……情報が分散していると、「今、何が起きているか」が誰にも見えません。メールの添付ファイル、Excelの申請書、紙の書類、個人フォルダーなどに情報が散らばっていると、情報が存在していても、全体の状況を一度に確認することができません。
その結果、集計や報告のたびにあちこちから情報を集め直し、照合したりする必要が生まれます。
こうした確認が日常的に続くと、異なるファイルを参照してしまうことで数値の誤りや確認漏れが起きたり、書類の所在が分からなくなって再提出を求めるといった事態も起こりやすくなります。
<情報分断リスクについての詳しい記事>
- 情報・履歴が追えないまま運用され続けるのはなぜか|職場に共通する仕組みの問題
- 紙の保管場所が足りない―「場所」と「コスト」の問題から業務フローを見直す
- 社内に申請書が散在していませんか?「探す・集める」時間をゼロにするデータ活用
- Excelの申請書フォーマットを統一できないのはなぜか?周知の徹底では解決しない理由
- Excel申請書を見ながら別システムに手入力していませんか?データ分断による「二度手間」を解消する仕組み
3.担当者によって処理や判断がばらつくリスク
チェックした項目
ルールがシステム化されていないと、申請や承認の進め方が担当者ごとに異なり、「その人でないと分からない業務」が増えていきます。
属人的な業務が多い組織では、申請者から以下のような声が上がる傾向があります。
- 同じ内容なのに承認者によって判断が変わる
- 前回は通ったのに今回は差し戻される
- 何を基準に直せばよいのか分からない
- 説明を求められる内容が毎回違う
また、入力ルールや記入基準が担当者の認識に依存している場合、必須箇所への記入漏れや添付忘れが繰り返され、差し戻しが多発する原因にもなります。
このような状況が続くと、申請者や担当者の間で確認や調整が増え、申請のたびに対応方法を探す必要が生まれます。
その結果、本来の手続きよりも通しやすい方法を優先する運用が生まれやすくなり、業務ルールが形骸化してしまうリスクもあります。
<属人化リスクについての詳しい記事>
4.証跡が残らず、「説明責任」を果たせなくなるリスク
チェックした項目
「誰が、いつ、何を根拠に承認したのか」を後から追跡できない状態は、内部統制上の致命的な欠陥です。監査時に説明ができないだけでなく、万が一トラブルが起きた際に、会社として適切な判断を行ったことを証明できず、組織を守ることができなくなります。
<統制・監査リスクについての詳しい記事>
4つのリスクの根本にある組織の課題
重要なのは、4つのリスクは個別に独立した問題ではなく、根本の原因を共有しているという点です。多くの企業に共通する承認業務の構造的な問題は、次の3点に集約されます。
- 承認の状況が見えない
- 承認ルートが人に依存している
- 承認の履歴が残らない
そして、これらの問題を現場担当者のマンパワーや非効率な作業によって補っているため、課題として認識されにくく、同じ非効率が繰り返されてしまいます。
承認のルールは運用ではなく仕組みで見直す
これらのリスクを根本から解決するには、担当者の注意力を高めることではなく、「誰がやっても正しく回る仕組み」への転換が不可欠です。
- 承認の状況を可視化する:申請がどこで止まっているかをリアルタイムに確認できる状態にすることで、承認者の不在や進捗不明による停滞を防ぎます。
- 承認の流れを仕組みとして標準化する:承認ルートや入力ルールをシステム上で固定することで、担当者ごとの判断のばらつきや記入ミスによる差し戻しを構造的になくします。
- 承認の履歴を確実に記録する(証跡の保管):誰がいつどの内容を承認したかを変更できない形で残すことで、監査や内部確認の際に意思決定の根拠を客観的に示せる状態を維持します。
こうした仕組みが整うことで、承認業務は特定の「人」や「場所」に頼らず、安定して、そして安全に進むようになります。
進捗の可視化や承認ルートの自動化、外出先からでも承認が止まらない仕組みなど、詳細は、Create!Webフロー製品サイトでご覧いただけます。
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